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  • 19.01.23一人親方労災保険よもやま話元請けが労災保険特別加入を一人親方に求めるワケ

「一人親方も労災に入る必要がある」

このように言われていますし、実際に入らないと現場に入場できません。

とはいえ、

・そもそもなんで入らないといけないのか?民間の保険では駄目なの?

・労災保険はどんな補償でどうすれば入れるの?

という方も多いと思います。

そこでこの記事ではそんな一人親方の労災保険のお悩みを解決します。

具体的には

・一人親方が労災に入る必要性

・労災保険特別加入について

・労災保険に入るために確認したいポイント

以上について重要なポイントを解決していきます。

3分くらいで読めますし、一人親方の労災保険の必要性について理解できますので、まずはご一読を!

一人親方も労災に加入しないと現場に入れない場合があります。



元請けに雇用されている場合には、自動的に労災に加入しているため手続きは不要ですが、一人親方の場合はそういうわけにはいきません。昔は自己責任で現場に入場が出来たかもしれませんが、今は労災に加入していない場合は現場に入場も出来ないのです。

しかし、具体的に一人親方はどうすれば良いのか理解しづらいですよね。そこでここでは、労災保険の基礎的な部分に関して紹介していきます。

そもそも労災保険に本当に入る必要はあるの?

先程も書きましたが、労災保険に入っていない場合は現場に入場することも出来ません。これは、法律上元請けや一次請けには、全ての労働者に対して安全配慮義務があるためなのです。

つまり、一人親方が労災未加入で怪我をした場合元請けは、全配慮義務違反となり賠償責任が発生します。だからこそ現場での入場の際に作業員全員に労災に加入しているかを確認するのです。

また、一人親方は労災に未加入の場合には怪我をしても誰も補償をしてくれません。現場には危険がつきものです。いつ怪我をするか分からない環境ですので、保険は無くてはならないと行っても過言ではありません。

一人親方は通常の労災保険には入れません!

では、現場に入場するために元請けに労災を頼むということは、一人親方の場合は出来ません。労災保険の加入などは、全て自分自身で行わなくてはならないのです。

一人親方は元請けに雇われている労働者ではありません。事業主つまりは経営者のため、元請けなどは労災を代理で支払うということはできないのです。自分の事業に必要なものですので、自分で支払う必要があります。

そして厄介なことに労働者では無いため、雇用者が入ることが出来る労災には入ることが出来ません。そのため、一人親方向けは労災保険の特別加入という仕組みを使い労災に加入する必要があります。

労災保険の特別加入には、どこでも良いわけではなく各県の労働局が承認した建設業の一人親方特別加入を取り扱う団体を通じて入会しなくてはなりません。少し手順が多くなってしまいます。この団体を一人親方団体と言います。

労災保険は国からの保険ですので、一人親方団体以外からの申請は認められていません。労災の特別加入以外は全て民間の保険という扱いになります。

一人親方団体から労災保険に特別加入をして、発行される番号と加入者証を持って初めて現場に入ることができるのです。

民間の保険では労災保険の代用にはなりません!

しかし、労災保険に入らなくてはいけないのはわかったけれども、保険は民間のもので十分では?また高い保険料を支払うというのは嫌だと言う方も多いと思います。

残念ながら労災保険は民間の保険とは、補償の内容が異なるため、重ねてかけることはあっても民間保険でまかなえるケースはまず無いでしょう。民間保険は複数の保険を契約する必要がある上に制限もかかります。

反対に労災保険ならば、怪我の治療費から死亡時、介護が必要になった場合に関しても1つの保険でカバーすることができます。意外にも補償の範囲は広いのです。具体的に範囲を表で見てみると以下のようになります。

名称一人親方の労災保険民間の保険
入院保障 負担なし 入院保険(医療保険)
保険会社が定める約款指定の状態により入院したとき、契約者が決めた日額保険金が決められた日数分支払われる
通院保障 負担なし 入院保険(医療保険)
保険会社が定める約款指定の状態により通院したとき、契約者が決めた日額保険金が決められた日数分支払われる
手術保障 負担なし 入院保険(医療保険)
保険会社が定める約款指定の状態により手術したとき、契約者が決めた手術等保険金が支払われる
休業時の保障 加入者が労災保険加入時に決めた給付基礎日額の8割が支給される。疾病の療養が4日以上となった場合 就業不能保険
保険会社が定める約款指定の状態であった場合、契約者が決めた休業期間や保険金額に応じて保険金がもらえる(免責事項あり)
死亡時の保障 受給資格の遺族がいる場合
※遺族年金
受給資格の遺族がいない場合
※遺族一時金
その他以下
遺族特別支給金
葬祭料
生命保険
保険会社が定める約款指定の状態により死亡したとき、契約者が決めた死亡保険金額が受取人に支払われる
個人年金保険
保険会社が定める約款指定の状態になったとき、契約者が決めた保険金額金が支払われる
継続した傷病の保障 傷病年金
(傷病療養開始後1年6ヵ月を経過した日、または同日後に傷病が治っておらず、傷病等級に該当したとき)
入院保険(医療保険)
保険会社が定める約款指定の状態により入院したとき、契約者が決めた日額保険金が決められた日数分支払われる
障害が残ったときの保障 ※障害年金
傷病が治った後に障害等級1~7級のいずれかによる障害が残ったときに支払われる
※障害一時金
傷病が治った後に障害等級8~14級のいずれかによる障害が残ったときに支払われる
生命保険 高度障害保険金
高度障害の原因が、約款指定の「不慮の事故が原因の障害」または「発病した病気」であること。症状の回復が認められないこと
介護が必要となったときの保障 介護給付
障害年金、または傷病年金を受けている者で一定の障害を有し、現に介護を受けている場合に支払われる
※常時介護と随時介護では支給金額が変わります
介護保険
保険会社が定める約款指定の介護等級状態になったとき、契約者が決めた保険金額金が支払われる

表のように現場での怪我などは、怪我の程度に関係なく基本的に負担なく保険が適応されます。万が一障害や死亡した際にも複数の保険を適応しなくても、保険を適応することができます。

より詳しく知りたい方は、厚生労働省の特別加入制度のしおりから確認できます。

労災保険の特別加入で万が一でも安心!



労災保険に特別加入しておけば、万が一現場で事故が起きた時でも安心です。けれども、やっぱ保険料なども気になりますよね?そこで、ここではなるべく安く特別加入する方法を紹介します。

労災保険の保険料は国で決められています

実は労災保険は民間の発行している保険ではありません。国が定めている保険ですので、保険料も国が各業種に比率を割り当てています。つまり、保険料はすでに決められているので団体によって上げたり、下げたりは出来ないということです。

どこの一人親方団体で加入しても労災の保険料は変わりません。一人親方の保険料は実際にはどのように決められているのでしょうか?本来の労災保険は怪我あるいは死亡した日から三ヶ月前に支払われていた給料から給付基礎日額を割り出します。

給付基礎日額は簡単に言えば、1日あたりの平均賃金のことです。例えば、月収30万円を貰っている社員が12月20日に怪我をした場合で、締め日が月末と仮定します。その場合は9月1日~11月30日の91日で、総支給額は90万円です。

これを割って平均賃金を算出します。ここでは、9,891円でこれが給付基礎日額と呼ばれ1日あたりの給料でこの数値を元に労災が適応されます。

しかし、社員はこれで問題ありませんが一人親方は自営業のため給料を支払われていません。けれども、労災には給付基礎日額の算出が必要で、この金額が労災の保険料に直結するためです。

特別加入の労災保険は、給付基礎日額の差で保険料が変化します。給付基礎日額が高いほど保険料も上がり、補償も手厚くなります。

一人親方の場合は基本的に申込時に3,500円から25,000円の範囲で給付基礎日額を選ぶことができます。補償が厚いほど保険料も高くなるので、ご自身の直前の収入に応じて給付基礎日額の選択をおすすめします。

また、休業補償の金額はこの給付基礎日額の80%が支給されます。20,000円の場合は16,000円が1日に支給される補償金額です。そして、この給付基礎日額は途中で変更することはできません。変更するには一人親方団体が年度更新期間中(3月2日~3月31日)までに申請し、翌年度から適応されます。

詳しい給付基礎日額とその補償内容に関しては厚生労働省の特別加入のしおりから

組合各社の違いは保険料ではなく諸費用です

労災保険は国の保険ですので、補償額も保険料も固定です。では、一人親方団体ごとの違いは何なのでしょうか?それは、諸費用と加入スピードです。民間の保険と異なり、組合に属するという形で労災保険に入会します。

そのため、保険料だけ支払うという形ではなく、組合費・入会金が発生します。この金額が組合ごとにことなります。また、労災加入証の発行速度も即日・翌日発行のところから1週間かかる場合もあり、かなり幅があるのです。

保険料を安くするためにおさえておきたいポイント

労災保険の保険料を安く抑える方法として確認しておきたいポイントは、入会金や組合費の価格と加入できるまでの日数です。

前述の通り、保険料は固定されているため組合ごとに変えることはできません。しかし、その他の入会費や組合費は自由に変更が可能です。組合費に関しては、月額制度や一括の場合もあります。

何ヶ月労災保険が必要なのかにもよりますが、短期間の場合は月額制・長期の場合は一括のほうが安く済むことが多いです。また、労災の加入証が届くスピードも重要です。この証明証が無いと現場に入場できないので、すぐに必要な場合は即日届く組合から申込みましょう。

まとめ



ここまで、一人親方の労災保険に関して重要なポイントを解説してきました。労災保険は身を守る保険であると同時に元請けからも確実に求められます。

保険はなんだか難しいし、面倒と感じるかもしれませんが労災保険の範囲は非常に広く優秀です。また、申込みに関しても自分の収入を考慮して保険料を決めることができます。

保険料や補償に差は無いため、組合の入会速度と組合費・入会金などの諸費用を加入期間も含めて見比べて比較することが安く入るためのポイントです。