再びコロナウイルス渦が拡大しそうな不安な状況下ですが、
業務中にコロナウイルスに感染し、労災申請手続きを行う際の注意点について再度ご説明させていただきます。
業務中および通勤途中でのコロナウイルス感染が基本となります。
どこで感染したのか?不明の場合は申請書類への記入もできないでしょうから書類を監督署に提出しても
労災認定は難しいものとなります。
当会において業務中にコロナウイルスに感染し、労災請求を行った事例を紹介します。
【事例1】
Aさんは、元請けの事務所で元請けの社長・担当社員・Aさん・同業者2名の計5名で現場の工程会議を行った。
会議の2日後に元請けの社長よりコロナウイルスに感染したとの連絡を受ける。社長から連絡の翌日に
Aさんも発熱を発症し、保険所へ連絡する。保健所指示で自宅近所の病院でPCR検査を受け陽性と結果がでる。
家族にも感染しており、保健所判断で自宅療養となる。
【事例2】
現場内でクラスターが発生し、元請けの指示で現場休業となる。同時にPCR検査を受け、陽性となる。
【事例3】
Aさんは仕事仲間7人で現場まで自家用車に乗りあって、片道1時間30分の道のりを通っていた。
同乗仲間の一人が陽性となり、芋づる式に全員コロナウイルスに感染していた。
うち2名は高齢もあり重症化し、保健所指示の病院へ2週間入院となる。
【注意点】
皆さん、保健所に連絡をし、保健所指示で行動されています。
労災申請について添付書類として
①保健所発行の「就業制限通知書」や都道府県発行の「自宅療養証明書」や療養先がホテルの場合は「宿泊療養証明書」が必要です。
②療養解除された場合も、保健所発行の「就業解除通知書」や「陰性検査の証明書」が必要となります。
などの公的な証明の提出が必要となります。
業務との関連性があると判断されれば労災の対象となりますが、私生活における感染が原因と判断された場合は労災認定とは
なりませんのでご注意下さい。
【休業補償給付支給額(目安)】
給付基礎日額¥3,500の方の場合、保健所の療養証明が10日間の場合
労災は被災後4日目からの休業補償給付のカウントとなりますので
10日-3日(待機)=7日
7日×3,500×0.8(8割支給となります)=¥19,600
引き続き、コロナウイルス対策は万全にご注意していただくよう
お願い致します。
追伸:2022.11.18更新: 保健所発行の証明も有効ですが、証明書発行まで2か月待ちも珍しい話ではありません。
厚生労働省の「新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)」(マイ・ハーシス)からの証明でも
有効です。
スマートフォンお使いの方は「マイ・ハーシス」のアプリをダウンロードし、登録してから証明を取っていただくようお願いいたします。